外気の熱を遮ることで暑さを緩和させる空調服は高温の環境で作業を行う際の必需品と言っても過言ではありません。様々なメーカーが空調服を販売していますが、中でもバートルはファッショナブルなデザインから多くの人に支持されています。
ここではバートル空調服の魅力や用途に適した材質の選び方、バッテリーの種類についてお伝えします。
作業服にファッション性を取り入れた老舗メーカー
バートルは1958年、クロカメ被服株式会社の名前で創業した衣料メーカーです。当初から作業服の開発に力を注ぎ、頑丈でしなやかな生地を用いた製品は多くの人に支持されました。また、バートルはそれまで生地の丈夫さこそが第一とされていた作業服市場において、ファッション性の概念を持ち込んだメーカーとしても知られています。
作業服は名前の通り、様々な作業の際に着用する衣服なので生地が丈夫であることが何よりも重視されていました。一方で見栄えの良し悪しについては二の次だったのも否定できない事実です。バートルはそのような旧来の常識を打ち破り、丈夫でありつつもデザインがおしゃれな作業服を作り上げたのです。
作業服は頑丈だが華やかではないというイメージを翻したバートルの製品は若い人を中心に高い人気を得ました。他の追随を許さないほどのハイセンスなデザインの作業服は仕事着の枠を超えた、スタイリッシュなカジュアルウェアとして評価されるに至りました。
現在でもおしゃれな作業服ならバートルと言われるほど、作業服市場ではファッションセンスが優れているメーカーと見なされています。
空調服の市場では後発組だったバートルの快挙
バートルは老舗の作業服メーカーですが、空調服市場では他メーカーが幾つもの製品を販売した後で参入した後発組でした。空調服の名称も他メーカーの商品名だったことから、バートルは自社の空調服を販売するためにエアークラフトの名称を用いる必要があったのです。
一方で遅れて参入したことにより、既存の空調服にあった問題をクリアした製品の販売が可能でした。従来の空調服はバッテリーが長持ちしない欠点があり、長時間の使用には不向きだったのです。空調服は熱中症予防に効果的であることは知られていましたが、頻繁にバッテリーを交換する手間がかかることから広く普及しているとは言い難い状況でした。
そのような中でバートルは長時間の使用に対応した高性能のバッテリーを使用した空調服を販売しました。電動工具の製造メーカーであるリョービの協力により、今までの空調服よりもはるかに長時間の連続使用が可能になったのです。
今でこそ空調服を何時間も使い続けるのは当たり前のことですが、その当たり前を最初に実現させたのがバートルでした。バートルの参入により、空調服市場は大きく発展したと言っても過言ではありません。
バートル空調服に使われているバッテリーの種類や注意点について
空調服を快適に着こなすにはファンを動かすバッテリーの性能にこだわることが重要です。同じバッテリーでもメーカーによって出力が異なり、その数値がファンの回転数を左右します。熱を遮る空気の層をどれだけ保てるかが空調服の良し悪しを決めるポイントであり、そのポイントに大きく関わるのがバッテリーです。
バートルのバッテリーは長い間、電動工具メーカーのリョービが開発していましたが、現在は電子機器メーカーの京セラが開発事業に携わっています。また、2022年から使われている新型のバッテリーは2021年以前のモデルとは互換性がありません。
2021年以前の空調服のファンに2022年製のバッテリーは接続できないようになっています。無理に接続すると漏電やバッテリーの破裂など深刻なトラブルに見舞われるおそれがあるので、絶対に接続してはいけません。
また、2022年製の空調服に2021年以前のバッテリーを接続することもできないので併せて注意します。ホームセンターなどのお店ではバッテリーの新型と旧型が一緒に販売されているので購入の際は確認が不可欠です。
新型の2022年製はAC300、旧型の2021年製はAC260と品番が異なる他、ボルトの数値もそれぞれ17ボルトと13ボルトになっているので見分けるのは難しくありません。販売価格は旧型の方がやや安価ですが、性能の高さを見れば新型のほうが使いやすく、便利と言えるでしょう。
空調服は用途に合わせて選ぶのが長く愛用するコツ
バートルの空調服は個性的なデザインの製品が多いことから個人の好みで選ぶ人が少なくありません。ファッション性やバッテリー種類などを重視するのも一つの選び方ですが、一方で空調服は作業現場で着る仕事着であることを忘れてはいけません。
空調服に使われている生地の材質は大別すると綿などの天然繊維とポリエステルなどの化学繊維があります。このうち化学繊維は非常に細かく生地を織ることができることから気密性に富み、空調服に最適とされています。また、軽量なので体への負担も少なく、体を動かしやすいのが利点です。
反面、化学繊維の生地は摩擦や熱に弱く、微小な火花が触れただけで穴が生じることも珍しくありません。引っかけにも弱く、生地が大きく裂けるおそれがあります。天然繊維は頑丈で摩擦や熱に強く、生地が傷みにくいので作業服に適した素材と言えます。
一方で強度を保つためには生地を厚くする必要があるので重たくなり、体の動きを妨げてしまうのも事実です。バートルは綿製と化学繊維製の両方の空調服を販売しているので、作業内容に合わせて適している製品を選ぶのが生地を傷めずに長く使い続けるコツです。
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空調服の衛生管理を適切に行うポイント
空調服は一般的な衣服と同様に家庭用の洗濯機で洗うことができますが、製品によっては色落ちが生じるのでタグの記載内容を確認します。また、生地が縮んでファンの取り付け部分にすき間が生じる可能性があるので乾燥機は使わないのが賢明でしょう。
しわを伸ばして形を整え、日差しが直接当たらない所で陰干しするのが適切な方法です。バートルの空調服に使われているファンは最新型のモデルなら水洗いができますが、それでも長く水に浸すことはできません。ファンやバッテリー、配線などの電子機器は水濡れを避け、表面を拭き取るのが正しいお手入れになります。
また、電子機器は消耗品でもあるので定期的に交換するのが空調服の遮熱性を保つ条件です。
おしゃれなデザインのバートル空調服を選ぶ際は年式に注意する
バートルの空調服はスタイリッシュなデザインなので作業現場に限らず、アウトドアなどカジュアルな場でも着こなすことができます。風を送るファンを動かすバッテリーの性能も高く、2022年製の新型は17ボルトの高出力で1時間、その後は12ボルトで5時間の連続使用が可能です。
しかし、バートルのファンやバッテリーは2022年製の新型とそれ以前の年式である旧型に互換性がありません。空調服を購入する際は年式に注意しましょう。